いじめ問題


目次

1. いじめにあっている子どもに多い特徴

いじめられる原因が何もないのに、ほんの些細なことをきっかけに「スケープゴート」にされてしまうケースもありますが、一方で、いじめられる側に一定の要素があり、それが原因で、からかわれ始める場合もあります。

それらの要素には、次のようなものが挙げられます。

  • 真面目すぎる
  • 弱く見える
  • 不潔
  • 物事に逃げ腰
  • わがままで自分勝手
  • 物静か
  • 親が権威を振りかざしている
  • 身体的コンプレックスを悲観している
  • 比較的軽い高機能自閉症などがある
  • 経済的貧困
  • 運動音痴
  • からかわれると過剰反応を示す
  • おしゃべり(秘密をしゃべる。告げ口をする。)

2. 子どもが家庭で見せるSOSのサイン

子どもが外でいじめられていれば、必ず家での様子が変わってきます。

次に子どもが家庭で見せるSOSサインを挙げておきます。親はこうしたサインを見逃さないようにしましょう。

  • 妹や弟をいじめるようになる。
  • 成績が急に下がる。
  • 親が話しかけても「ボー」っとして他人のことを考えていることが多くなる。
  • 学用品をなくすことが多くなる。
  • 親のお金に手を出すようになったり、お金の使い方が荒くなる。
  • 学用品に落書きや破損の跡が見受けられる。
  • 髪の毛が不自然に切られていたり、身体に見慣れない傷、アザがある。
  • 大笑いしなくなる。または笑っていても顔が引きつっている。
  • 食欲がなくなる。
  • 不眠が続く。
  • 炭酸飲料をよく飲むようになる。
  • 微熱、吐き気、腹痛、頭痛を訴えることが多くなる。
  • 休みの日に親と外出したがらなくなる。
  • 朝、なかなか起きてこなくなる。
  • 朝、トイレに入ると、なかなか出てこなくなる。
  • 友だちが家に遊びに来なくなる。
  • ため息が多くなり、親と目を合わせるのを避けるようになる。
  • 妙に暗くなったり、キレやすくなる。
  • 年賀状がまったくこなかったり、または嫌がらせの年賀状がくる。
  • 携帯電話や携帯メールを無視しはじめる。

3. 家庭のあり方

家庭のあり方が子どもに大きな影響を与えるといってよいでしょう。

家族間での会話を大切にし、いつも笑顔が絶えない家庭であれば、子どもはストレスをためずに明るく元気よく育っていくものです。

逆に両親の仲が悪く、家庭でもほとんど会話がない家庭で育った場合は、内向的で暗く、引っ込み思案の子どもに育ちやすくなります。

家族との会話があり、笑顔が絶えない家庭であれば、子どもはそこから十分なエネルギーを得て、いじめを吹き飛ばすぐいらいの力を得ることができます。

家族との会話などから、子どもはコミュニケーション能力を身につけ、人とのやり取りの仕方を学んでいきます。親との会話だけでなく、兄弟げんかをすることなども人間関係を学ぶために大変重要なことです。

確かに現実問題として、少子化のため一人っ子家族も多く、兄弟間のやり取りから人間関係を学ぶ機会が少なくなってきていることも現実です。そのため、一人で遊べるゲームなどにはまって育つ子どもたちが増えています。人との接し方を経験せずに成長してしまう子どもが増えているのは、とても気がかりな傾向です。

こうした事情を抱えている家庭は、子どもを地域の子ども会やスポーツクラブに積極的に参加させるといいでしょう。同年代の親戚の子どもたちがいれば、彼らと遊ばせることも大変良い経験になります。

4. いじめがわかったときの対応

一番大切なことは、「つらかったね」と子どもに共感する。

  • いじめている相手がわかった場合、感情的になって相手の家に電話を入れたり、押しかけたりしない。
    相手の親も自分の子どもをかばうため、言い争いになるケースが多いです。
  • いじめの証拠を集め、担任教師と相談する。
    いじめ問題を解消するためには、学校の教師との相談が必要不可欠になります。より良い相談を行うためには、いじめの事実を裏付ける確かな物証をそろえておく必要があります。
  • 母親だけでなく父親も一緒に相談に行く。
    両親がそろって学校に赴くことによって、教師の対応の仕方が明らかに違ってきます。
  • 冷静に担任教師と話し合う。
    大声を出したり、ヒステリーにならない。
  • 担任の教師に手渡す書類や物証は、コピーしたものを提出する。 原本は必ず家庭で保管しておく。
  • 具体的な解決までの方法が決まったら、担任の教師に文章にまとめてもらい、家庭でも1部保管します。
    なぜなら、口約束は守られないことが多いからです。
  • 担任との話し合いが平行線の場合は、学年主任や教頭・校長に相談する。
    さらに学校だけではなく、PTAで意見交換を行うなど、親同士のつながりを強化することも有効です。
  • いじめには触れずに親同士で情報交換したり、人権擁護団体や教育機関が設けている相談窓口を利用し、知恵を借りるのも得策です。
  • 担任の教師には、休み時間や掃除の時間に子どもと一緒に過ごしてもらうことも有用です。
    子どもの人間関係が一番わかるのは、授業中ではなく、休み時間や掃除の時間、部活動時、放課後です。その時間を子どもと過ごしてもらうことで、今まで教師が気づかなかった側面が見えてくることがあります。
  • 学校に相談しても、解決が見えないときは、教育委員会の相談窓口に連絡するか、転校を考える。
    一時的に学校を休ませ、交渉を継続しなければならない場合もあります。
  • いったん収まったかに見えたいじめが、忘れたころに再発することもあります。家庭では何でも話せる雰囲気づくりを常に心がけてください。子どもにとって家庭はエネルギーを充電する場所であることを忘れてはいけません。
  • 家庭内に問題(夫婦の不仲、子どもへの過干渉など)があるときは、いじめを招いた一因でもあるので、取り除く。
    こうした原因を取り除くことを怠れば、仮に今のいじめが解決したとしても、進学などによって別の学校に行ったときに、再びいじめの標的になってしまうかもしれません。
  • 闇雲に子どもに責任を押し付けて、「もっと強くなれ」と叱咤激励したり、「お前にも問題があるんだぞ」と子どもを責めてはいけません。
    まずは、親自身が、自分たちの子育てを見つめなおすことが必要であることを認識してください。

5. ネットによるいじめ

インターネットや携帯電話の普及にともなって、新たないじめも発生するようになっています。今では多くの家庭がインターネットへのアクセスをもち、子どもたちのほとんどが携帯電話を所有するようになりました。生活が格段に便利になった反面、こうした最新情報機器を悪用したいじめも横行するようになっています。子どもたちは、インターネットや携帯サイトを利用して、なりすましメールやチェーンメール、学校裏サイトなどを利用していじめを行うようになっています。

  • なりすましメール
    他人のメールアドレスを勝手に使用して、メールを送信すること。なりすましメールを利用すれば、送信主が特定されないように嫌がらせのメールを送りつけることができます。匿名を保ちながらメールによる嫌がらせをすることが可能になります。
  • チェーンメール
    同じ内容の文を複数の人に転送するように求めるメールのこと。例えば、「不幸の手紙」として一時期流行したもののように、メールの最後に「このメールが届いたら24時間いないに10人に転送しなければお前がいじめの対象になる」などのメッセージを付け加えて、嘘や個人情報、嫌がらせの画像などを添付したメールを、できるだけ多くの人に転送させようとするといったものです。
  • 学校裏サイトなどの掲示板
    全国の学校の在学生や卒業生たちが自ら立ち上げた掲示板のこと。そこにはプライバシーといったものは存在せず、ある特定の生徒の名前のスレッドが立ち上げられると、そこに悪口がどんどん書き込まれ、あるときから、その生徒が学校に登校すると突然いじめが始まったり、無視が始まったりします。その他にも、「かっこ悪いランキング」「キモい人ランキング」などの身勝手な人物評価や猥褻画像、本人が嫌がる画像をアップするなどの嫌がらせのケースもあります。

6. ネットいじめの対処法

ネットによるいじめは、名誉毀損、侮辱行為、犯罪行為として訴えることができる場合があります。証拠として、メッセージの原文や掲示板のアドレス、メール送信元のアドレスなどを削除せずに保存しておくことは大切です。

  • なりすましメール
    携帯電話各社は、迷惑メールの対策の一環として、なりすましメールを受信拒否できるサービス機能を提供しています。携帯電話の購入時には、すべてのメールが受信できるように設定されているので、なりすましメール、迷惑メールが受信できないように設定しなおす必要があります。
    設定方法は、携帯各社のホームページで参照できます。
  • チェーンメール
    友人・知人への転送はしてはいけません。無視するのが一番ですが、気持ちが悪い場合は、財団法人日本データ通信協会がチェーンメールの転送先を用意しているので、そこに転送することをお勧めします。
  • 学校裏サイトなどの掲示板
    誹謗中傷が書かれている掲示板を確認できたら、個人で掲示板の管理者に連絡し、削除依頼をしてください。削除してもらえないときは、掲示板が利用しているプロバイダーに削除依頼してください。削除依頼の方法は、そのサイト上で確認してください。ほとんどの場合、そのサイトから削除依頼を行うことができると思います。その際には、掲示板に書かれている内容を具体的に伝え、書き込みのあるURLを必ず記載します。証拠を残すためにも、書かれた内容と日時がわかるように掲示板の画面を印刷し、管理者には通信記録の保存もあわせて依頼しておくとよいです。

7. いじめをなくすための予防策

大切なことは、自分の子どもをいじめの被害者や加害者にしないこと。そのために家庭で始められることはたくさんあります。

以下に、いじめ予防策を紹介しておきます。

  • 朝食を食べさせよう。
  • 家で勉強するときは黙読でなく音読をさせるようにしよう。
  • 普段から大きな声で話すことを心がけさせよう。
  • 笑いの絶えない家庭をつくろう。
  • 6~8時間は睡眠をとらせよう。
  • 目標を紙に書くように勧めてみよう。
  • 悪いことを思い浮かべないようにさせよう。
  • 明るく前向きな考えを持たせよう。
  • 思ったときに必ず公道させるようにしよう。
  • 普段からコツコツ地道に努力させよう。
  • 否定的な考えを子どもに植え付けないようにしよう。
  • どんないつらいことでも必ず終わりがやってくることを教えよう。
  • 変えようと思えば、自分の性格も変えられる。
  • 何でもいいから、1つでも人には負けないものをつくらせよう。
  • きちんとした姿勢を心がけさせよう。
  • 落ち込んだ自分には、「もう1人の自分」に声を出させ、励ましてもらおう。
  • 子どもにできることは子どもにやらせよう。
  • 呼吸をコントロールさせてみよう。
  • 嫌なときは、相手の目を見て、はっきりと「嫌だ」と言えるようにさせよう。

8. 自殺予告のサイン

自殺を考えている子どもが見せる行動パターンを挙げます。

子どもがこうした行動を取るようになったら、親は慌てる必要があります。この段階まで追い詰められている子どもに対して親が無関心を装ってしまうと、子どもは傷つきます。

  • 大切にしていたものをあげてしまう。
  • 加入している保険について尋ねてくる。
  • 死ぬための具体的な方法を親に尋ねる。
  • 死後の世界について聞いてくる。
  • 自殺マニュアルや死後の世界の本などを買う。
  • 自分の部屋や身辺をきれいに片付けはじめる。
  • リストカットを繰り返す。
  • 「死にたい」「生きていても何もいいことがない」という言葉を口にする。
  • 親の体を心配したり、育ててくれたことにお礼を言ったりする。
  • 普段見慣れないものが無造作に部屋に置かれている。
  • ノートが一冊だけ机の上に置いてあったりする。
  • インターネットで自殺や死後の世界について検索している。