ひきこもり問題


目次

1. 子どもを不登校・ひきこもりにさせる原因

原因には、次のようなものが挙げられます。

  • 親の過干渉
  • 両親の夫婦仲が悪い
  • 家族の誰かが亡くなる
  • 過度の放任
  • 父性が乏しい/母性が乏しい
  • 母子関係が強すぎる
  • 兄、姉の非行・不登校・ひきこもり
  • 親が異常に学歴、世間体にこだわる
  • 親が宗教に熱心な信者
  • 親が定職に就かない
  • 失業、転勤が多い
  • 父親が厳格過ぎる
  • 親が威圧的
  • 親が神経質
  • 過保護

2. 不登校の兆し

子どもが不登校の状況になるまでには、いくつかの兆候が見受けられるのが一般です。いったん不登校になってしまってからでは、子どもを学校に復帰させことは容易ではありません。親は、子どもから発せられた静かなSOSメッセージをいち早くキャッチし、適切に対処していくことが肝心です。

  • おなかが痛い、頭が痛い、だるい、微熱があるなど、身体の不調を訴える。
  • イライラしたり、急にふさぎ込んで何かをボーッと考えたりして精神的に不安定な様子を見せる。
  • きれい好きで几帳面だった子どもが、ボサボサの髪のままでも平気になったり、部屋の中をぐちゃぐちゃのままにしたり、または宿題をしなくなる。
  • 学校のことや友だちのことをよく話していた子どもが、急に話さなくなる。
  • 親と顔を合わせたがらなくなる。
  • 顔つきが険しくなったり、暗くなったり、心ここにあらず、といった様子になる。

3. 子どもが不登校になってしまう代表的な原因

子どもは、学校に行かなければならないことはよくわかっています。わかっているのにもかかわらず、学校での嫌なことを考えるとどうしても体が動かないのです。

行かなければならないと自覚していながら行くことができないのですから、子どもが受けているストレスはかなり大きなものになっているはずです。親はそのことしっかりと認識してあげてください。

  • いじめ
  • 友人関係、クラブ活動でのトラブル
  • 学校での失敗や挫折
  • 体罰
  • 赤面恐怖
  • 視線恐怖
  • 自己臭恐怖
  • 脅迫症状
  • 日内変動

4. 子どもが不登校になってしまったら

子どもの不登校に直面した親に求められるのは、焦らずしばらく様子を見届ける余裕です。子どもは学校に復帰したいと思い、きっかけをつかむために一生懸命にもがいています。そのことを忘れずに子どもに接するようにしてください。

  • 問い詰めは厳禁。
    しばらくはお説教や問い詰めから子どもを解放してあげてください。少し離れた距離から穏やかに見守るようにしてあげてください。学校に行かなければいけないということは、大半の子どもは十分にわかっています。自分にとって不利益になるといこともしっかりと認識しています。
  • 無理に学校に行かせてはいけない。
    大半の子どもは学校に行かなければならないことは理解しています。にもかかわらず行けなくなってしまったのは、何某かに対応するだけのエネルギーがなくなってしまっているからです。親が太陽のような温かさをもって子どもに接していれば、時間がかかっても子どもは自分の中に困難に立ち向かうためのエネルギーを充電し、必ず学校に通えるようになります。
  • 本人に親がくどくどと不満を言ってはいけない。
    「とにかく学校に行きなさい。高いお金を払っているんだから」というようなことを言ってはいけません。子どもは、「じゃ、学校なんてもう二度と行かねえよ」と完全に殻に閉じこもる結果になります。
  • 本人に他の子どもと比べるようなことを言ってはいけない。
    他人と比べられるのは、誰にとっても嫌なものです。不登校に悩んでいる子どもにしてみたら、いっそう嫌なことだという認識を持ってください。
  • 本人の興味を持っている話をする。
    子ともの精神状態は決して良好ではありません。子どもが口を閉ざしてしまうおうな話題をあえて持ち出すことは、子どもの精神状態を悪化させるだけです。
  • 親自身がイライラしたり、子どもに引きずられて精神を不安定にしてはいけない。
  • 子どもが何も話さなくても、雰囲気で子どもの気持ちを察し、黙って心を添わせることが重要。
    「結局、おまえはどうしたいのか?」、「もう家から出られないんじゃないのか?」など決め付けたり、解決を急ごうとすると泥沼にはまってしまうことになります。

5. ひきこもっている子どもの気持ち

「親にわかってもらいたい」という気持ちの裏返しとして、子どもは「お母さんになんてわからない」と叫んだり、物に当ったりすることがよくあります。これは、「親にわかってほしい」という子どもからのサインです。それを理解せずに、親がイライラしたり、親自身が子どもに引きずられて精神を不安定にしてはいけません。

6. ひきこもっている子どもの典型的な生活パターン

典型的なひきこもりの生活パターンを挙げます。

  • 1日の大半を自分の部屋で過ごす
  • 昼夜を逆転させた生活
  • 家族と顔を合わせない
  • 片付け、掃除をしない。本、衣類、ゴミを散らかっしぱなし
  • 部屋に誰も入れない
  • お風呂に入らない。衣類を洗濯に出さない
  • 誰かが話しかけても無視するか、「うるさい」と言う
  • 窓やカーテンを閉めたままの生活を送る

7. 子どもがひきこもりになってしまったら

ひきこもりの子どもを持つ親が心がけなくてはいけないことに、次のようなことがあります。

  • 学校、お金、兄弟姉妹、友だち、将来の話題は本人がするまで出さない。
  • 「怠けている」「わがまま」「甘えている」「本当は何をしたいの」という言葉は使わない。
  • いつも笑顔でいる。
  • 夫婦の会話を増やし、仲良くする。
  • 親は濃密に子どもに関わらず、親は親で好きなことをする。
    子どもがひきこもると、仕事を辞めて家にいてあげようとする親がいますが、これは逆効果です。親が家にいると子どもはリラックスできず、親の方もついつい余計な一言を言ってしまいがちです。なるべく外出するように心がけましょう。親自身もリフレッシュを心がけ、親自身の精神状態が不安定になってきているなと感じ始めたら、積極的に外出しましょう。
  • 子どもの反応がなくなっても笑顔で接し、子どもが興味を持っている話題で話しかける。
  • 昼夜逆転を許す。
    強制的に直しても何の解決にもなりません。ひきこもりの子どもにとっては夜は心がやすらぐ時間です。症状が良くなれば、自然と元に戻ります。
  • お風呂に入らず、着替えもしない子どもの場合は、見えるところに着替えを置き、着替えをしなくても2、3日おきに取り替えて、また置きなおす。その際には手紙も必ず添える。毎回手紙も書き換えるようにする。
  • 幼児退行を抑える。
    幼時退行は、良いことと悪いことの判別がついていないことの表れです。家庭内暴力へと発展していく可能性が高いので放っておいてはいけません。仮に甘えてきたときには、手をしっかりと握ってあげると子どもは安心します。
  • 家庭内暴力をおさえる。
    暴力を受け、身の危険を感じたら、速やかに避難してください。あらかじめ書いておいた手紙を残し、しばらくの間、家から出てください。子どもとは電話でのやりとりを毎日続けます。1ヶ月ほど経ったらご飯だけを作りに帰り、2~3ヶ月後に家に戻るようにします。子どもには、今度暴力を振るったら2度と帰ってこないということを理解させるようにしまう。そうすれば、暴力はピタリと収まるはずです。
  • 子どもの要求には笑顔で応えてあげる。
    「甘やかし」だという人もいますが、レールを元に戻すには荒治療も必要になります。一時的にでも要求を受け入れられると、子どもは前向きになります。
  • 父親は定年になってもなるべく家の外に出る。
    母親とは比較的話しやすいが、父親とは話しにくいという子供が多いようです。父親がいつも家にいると、子どもは余計に部屋に籠もってしまうことがあります。
  • お小遣いは必ず十分に渡す。
    お金がないと子どもから外出の機会を奪ってしまいます。額を決めて毎月一定の日に渡すようにしましょう。こうすることによって子どもの外出を促し、決まった額の中でやりくりすることを覚えさせることができます。
  • 子供のうらみ、つらみにはうろたえない。
    子どもから暴言を吐かれてもオロオロしてはいけません。そのよなときは、子どもの目を見て、相づちをしっかりと撃ちながら話を聴くようにしましょう。
  • 家族以外の人と関わりを持てるようになったら、同じ悩みを抱えている青年同士が集まる場所などに参加できるようになるので、子どもがそのような場所で築いた人間関係を親は大事にする。
  • 子どもが親に相談してきたときは、子どもの横に座って、じっくりと話を聞く。
    子どもの悩みを吐き出させることによって、自己嫌悪や自己評価の低下をストップさせ、緩やかなひきこもり状態へと改善させていくことを心がけるようにする。”ひとりぼっちのひきこもり”から”ひとりではないひきこもり”に変えていきましょう。
  • 強引に部屋に踏み込んだりしない。
    子どもは侵入された気持ちになってしまい、最悪のケースでは自殺さえ考えるようになります。子どもに気持ちを理解せぬまま親が取る行為の大半は、子どもにとっては決して助けではなく、”追い詰め”になってしまいます。